福岡市技能職団体連合会

イベント・活動

令和5年度 長尾小学校「小学生ものづくり体験講座」

体験講座

◎福岡市技能職団体連合会では、会員団体の技能職者を講師とした「小学生ものづくり体験講座」を実施しています。


【事業の目的】
小学生を対象に、子ども達がものづくりの価値を実感するとともに、自身の将来の職業選択の幅を広げ、進路選択にいかすことができるよう、技能職者(ものづくりの専門家)による実演や子ども達が体験できる様々な分野の体験講座を実施するもの。


 令和5年度、第3回「小学生ものづくり体験講座」は、福岡市立長尾小学校で次の通り実施しました。 

        
1 日 時   令和5年9月15日(金) 10:35~12:10

2 場 所   福岡市立長尾小学校

3 対 象   110名(6年生)

4 体験講座  ・調理(中華):餃子つくり 
        ・和裁:ポシェットつくり
        ・表具:からくり屛風、しおりづくり
        ・建具:ミニ障子衝立づくり
        ・めんたい:明太子つくり
        ・貴金属:キーホルダーつくり
        ・左官:アートな塗り壁づくり

5 講 師  
・福岡県調理師連合会:王和雄、江崎睦、張端宏
・(一社)日本和裁士会福岡県支部:加来利江、坂本浩子
・福岡表具師協会:安藤征夫、上田博樹、吉富清登、倉谷千恵子
・福岡市建具工業組合:小野原三幸、高木修、井上吾朗
・博多辛子めんたい協同組合:樋口尚孝
・福岡市貴金属工芸組合:水江千之、前﨑亨一、常岡福則
・(一社)福岡市左官業組合:牧園倫明、丸田和喜、長岡健次、丸形翼、森祐太朗、久我照隆

【調理(中華):餃子つくり】

 「皮から餃子をつくってみよう」という内容で、餃子をつくりました。全員、餃子の餡を包んだことはあっても、皮から作るのは初めてで、薄く丸くのばす作業に興味津々で、楽しく調理作業を進めました。餡は、あらかじめ講師の先生が準備してくださっていましたが、焼きあがったカリカリもちもちの皮とジューシーな餡に、自分たちの手作り餃子を堪能した様子でした。洗い物や片付けまで、時間内にしっかりと活動することができました。自宅で餃子を作るときは、ぜひ、家族の皆さんに皮の作り方を教えてあげてくださいね。

【和裁:ポシェットつくり】

 まず、講師の先生が準備した色々な柄の布や、紐、クリップの中から、自分で配色を考えながら好みのものを選択して作り始めました。作業の途中までは、マニュアルや動画を参考にしながらも、難しくて苦心しながら進めていましたが、だんだんと要領よく縫い進めることができるようになり、オリジナルのポシェットができあがりました。後日、「今もずっとつけて登校しています」と感想を寄せてくれた児童もいました。講師の先生が披露してくれた「なみ縫い」の速さ、目の細かさにびっくりでしたね。

【表具:からくり屏風、しおりづくり】

 最初に、講師の先生が持参してくださった襖(ふすま)を破って、襖の見えてない部分を確認しました。講師の先生から「どんなふうにできているか、破ってみてごらん」と言われた時には、本当に破っても叱られないのか疑心暗鬼の表情で、おそるおそる手をだしていましたが、破るのにも力がいることがわかり、めいっぱい力いっぱい破りました。襖を初めてみた児童もいたようです。からくり屏風つくりでは、何度も貼り付ける向きを失敗している児童もいましたが、納得いくまで試行錯誤して、カラクリの仕組みを理解し、みんな、一つ仕上げた後は、2つめ、3つめをすばやく作業して作り上げてることができました。

【建具:ミニ障子衝立づくり】

 使い慣れない道具の使い方、力の入れ方などに戸惑いながらも、講師の先生に丁寧にサポートしていただきながら、全員、美しく安定感のある作品ができあがりました。できあがったミニ障子衝立は、家族から「すごいのができたね」と褒めてもらったそうです。
 最後に木材にかんながけして、教室いっぱいに木材の良い香りがたちこめました。お風呂に入れるとリラックス効果もあるそうで、自分で削った削りくずを大切に持ち帰っていました。

【めんたい:明太子つくり】

 講師の先生の話や体験では、明太子ができるまで、いろいろな作業があって、たくさんの人がかかわっていることがわかり、明太子を食べるとき、今まで以上に食べ物に感謝しながら大切に食べたいと思ってくれたようです。
 後日いただいた感想に「毎日、朝起きたら、めんたいこを確認してかわいがっています」と書いてくれた児童もいて、できあがりを心待ちにしている様子が目に浮かびます。家で、残った調味液を使って、オリジナルの料理を作ってみた児童もいたそうです。手作りの世界が広がりますね。

【貴金属:キーホルダーづくり】

 子ども達は、細かい文字や柄をハンマーでシルバーの板に打つ作業に、熱心に夢中で取り組みました。それぞれオリジナルのキーホルダーができて、さっそくかばんや手提げなどにとりつけていました。
 講師の先生からシルバーはずっと使うことができると聞いて、できあがった作品を一生大切につかいたいと感想を書いてくれた児童もいました。思い出に残る体験になりましたね。

【左官:アートな塗り壁づくり】

 基礎の土台になる下地部分をきれいにのばして塗ることが案外難しくて、うまくいかないと何度もやり直している姿もありましたが、プロの講師の皆さんは、それぞれの児童の困り感に気づいて、「こうやってみたら?」「こうするといいよ」と、文字では説明できない、経験によるちょっとしたコツをアドバイスしてくれました。
 持ち帰った作品を見て、家族から「いいな、私もやってみたかった」と言われ、貴重な体験ができたことに一層嬉しさが増したという児童の感想もいただきました。体験した子ども達から、友達へ、家族へ、社会へ、すばらしいものづくりの世界が広がってくれたらと思います。